「なあ姉ちゃん、あて姉ちゃんにそんなことしてもらおとは思てエへんけど、こんなりにしといたら時々痛み出してたまらんし、恐い病気になったりすることもあるいわれたのんで、姉ちゃんが責任負ういうてくれたら手術してもらえるのんやけど、……」「責任負ういうたかって、どないしたらええのん?
と聞いてみましたら、病院い行て、院長さんの前で誰ぞ第三者に立ち会うてもろて約束するか、そうでないのんなら後日のためにちょっと一と筆書いて欲しいいうのんですが、そんなことうっかり出来しませんし、それに光子さんのいうことが何処までほんまか、よんべ出血したいう病人が別に窶れたふうものうて出歩いてるのんもおかしいし、さっきの電話は病院で医局の人にかけてもろたいうのんですけど、そんな人が中川の奥様の名ア騙るはずもなし、何ぞまた訳でもあるような気イしてめったなこといわれへん思てるうちに、「ああ痛、……また痛なって来た」いうてお腹さすり出しなさったのんです。
その十四