と、肩撫でたげて、「なんぞ下り物でもしたんかいな」いうと、黙って首振って、「あて、もう死ぬ、死ぬ、……助けてほしい」と、ほんまに消えてしまいそうな虫の息で、「姉ちゃあん、……」と一と声大きく呼びながら、両手で私の手頸にしがみ着きますねん。
「こんなぐらいな事で何で死んだりするかいな、光ちゃん、光ちゃん」いうて力つけたげても、もう眼エ見えんようにどろんとなった瞳上げて、「姉ちゃんあて堪忍してくれるわなあ。
あてこないして姉ちゃんの傍で死ぬのんやったら本望やけど、……」と、そないにいうのんがちょっとぐらい狂言としたかって、握ってる手エ次第に冷めとなって来るような気イしますし、そうかて「お医者はん呼んだげよか」いうても「姉ちゃんに迷惑かかるよって呼んだらいかん、死ぬのんやったらこんなり死なして」いいますし、……孰方道そんなりにしとかれしませんので、女子衆に手ッ伝てもろて二階の寝室に運びましてん。