夫はその時分大概帰りが六時頃でしたけど、その日イはいくらか心配して早帰るか知らん思てましたのんに、やっぱりこないだじゅうからの事件が引き続いてると見えて、そいから一時間ぐらい立ってもまだ帰ってけえしません。
私はそのあいだに部屋片附けたり、寝台綺麗に直したりして、床の上に落ってた光子さんの足袋拾て、――帰りしなに光子さんは私の足袋穿いて行きなさったのんです。
――そのしみの痕視つめながら、まだ何や知らん夢みてるみたいにぼんやりしてましてん。
夫はその時分大概帰りが六時頃でしたけど、その日イはいくらか心配して早帰るか知らん思てましたのんに、やっぱりこないだじゅうからの事件が引き続いてると見えて、そいから一時間ぐらい立ってもまだ帰ってけえしません。
私はそのあいだに部屋片附けたり、寝台綺麗に直したりして、床の上に落ってた光子さんの足袋拾て、――帰りしなに光子さんは私の足袋穿いて行きなさったのんです。
――そのしみの痕視つめながら、まだ何や知らん夢みてるみたいにぼんやりしてましてん。