「こんなぐらいやったらもっといてたらよかったなあ。
「ほんまに、何ちゅう意地悪い雨やろ」いいましてんけど、下りてみたら俄かに二人共お腹減って来ましたのんで、「ちょうどお茶の時間やさかい、ホテルいでも行てサンドウィッチたべよか」いいますと、光子さんが「あてええとこ知ってる」いいなさって、大軌の直ぐ傍にある新温泉い行って、――彼処は私初めてですねんけど、宝塚と同じような家族温泉や何やあって、光子さんはちょいちょい行きなさると見えて、仲居さんの名アやら、中の勝手やら、よう知ってなさるのんです。
そんでその日一日遊んで、大阪に戻って来ましたのんは八時頃でしてんけど、そいでもまだ別れるのんがイヤでイヤで、何処まででも引っ着いて行きとうて、一緒に阪急で蘆屋川まで送って行きながら、「ああ、また奈良い行きたいなあ。