「そんならあの児が病院い這入ってんのんか?
「病院なんか這入ってはれへん。
こっちはそんな事とは知らんと、一緒に見舞いに行くつもりで誘いに行ったら、『まあちょっと上っとくなはれ』いうよって、上ったことは上ったけど、いつまでたっても出かけよとしやはれへんのんで、『はよ行こうな』いうたら、『実はあんたに頼むことあるねん』いい出して、『きんのもその話しょう思て行ったんやけど、……』いうて、――『どうもこの頃体の工合が普通ではない、妊娠したのんかも分れへんよって、そんな事にならんうちに、何ぞ智慧貸してくれへんか、あの本読んでみたけど、なんや英語で分れへんし、やり損うたら恐い思うし』いうねん。