なんぼなんでも光子さんだけやったら、あんなややこしいうそつくはずあれへん。
うちも腹立って腹立って、『そんな頼み聴く耳持ってエしません、これで失礼します』いうて帰ろとしたら、『まあそないいわんと、どうぞ助けて頂戴』いうて右と左から袂おさえて、『こんな事から秘密親たちに知れでもしたら、どうぞして綿貫と一緒になりたい思てるのんがみんなあかんようになってしまう。
そしたらあて生きてられへん』いうて光子さんは泣きやはるし、『どうぞどうぞとうちゃんの命助ける思て、どないぞ心配したげとくなはれ』いうてお梅どんは手エ合わして拝むし、そないしてもろたらどないしてええか分れへんようになってしもて、もうもう往生したわ。