誰ぞ知ってるお医者はん頼んだらよろしいがな』いうてんけど、そないしてる間に俄かに光子さん苦しみ出しやはって、えらい騒ぎになってん。
……」そんな風に、しゃべってるうちに傍から傍からいろいろな作り事考え出して、昨日の出来事をええ工合に織り交ぜて、――光子さんはあの本の処方で昨夜の間にそうっと薬飲んだらしい、それがちょうどその時利いて来てだんだん痛みようが強なって、――と、そこは昨日見た通り詳しいに話して、そないなって来ると自分にも責任あるよって帰るに帰られへん、そんでとうとう今まで傍についたげてたんやと、うまいこといい抜けしましたのんです。
その十六