そう、そう、そんで私、最前いうのん忘れましてんけど、家の方いは光子さんのお父さんのてかけはんのとこやいうて、笠屋町の電話番号教せときましてん、それいうたら、ほんまにおかしなことですねんけど、光子さんは「船場の支店やいうたらどやのん?
いいなさるのんですが、そんなとこい行てなさるいうのんけったいなし、いっそ病院い入院しなさったいうたらとも思たのんですが、病院やったらいつまでも退院せえへんいう訳に行かんし、それに夫が事務所の帰りにでも迎いに来たら直き分るし、何処にしょうなあ思て難儀してますと、「こないしたらどうだす」いうて、お梅どんが考えつきましてん。
尤もそれには光子さん妊娠しやはったいうことにせんと工合わるいのんで、お薬飲んでも巧いこと行かんし、お医者はんも手術してくれへん、そのうちにだんだんお腹大きなって来るよってとうとうお母ちゃんに打ち明けてしもた、そいでお父さんのてかけはんの家い子供生れるまで引き取られてる。