そのてかけはんの家いうのんは笠屋町の井筒いう宿屋で、電話番号は何番でと、ちゃんとほんまの名前教せといたら、電話帳見たかてその通りやし、迎いに来られても褄目合うし、「そしたらあて、姉ちゃんとこい遊びに行く時懐い綿でも詰めて、お腹大きして行かんならんわなあ」いうて大笑いになりましてんけど、それやったら一番分る気づかいないいうのんでそないしましてん。
「そうか、光子さん腹ぽてになったんか」いうて、夫はすっかり真アに受けて、さすがに気の毒そうな顔しますのんで、「そいでもあんた、そんな悪いこと手ッ伝たらいかんいうたやろ。
そやよってうちどない頼まれても教せたげへんなんでん。