――私はひがんでるせえか、どないしても自分の方がそない愛されてる思えしませんのに、「いや、そうです、たしかにそうです、お姉さんは仕合わせです」いうて、「ああ、ああ、それに引きかえて僕は何ちゅう不幸な運命の下に生れたのんでしょう」と、芝居のセリフみたいに節つけていいながら、泣きそうな顔するのんです。
それが、始めて会うた時から女みたいな男やと思てましてんけど、そないいうて話してみますと、表情や物のいいようまで女の腐ったんみたいにねちねちしてて、何やうるさいほど執拗うて、横眼でジロジロ邪推深そうに人の顔色うかごうたりして、なるほどこれやったら、光子さんかてそない好きと違うんかなあいう気イしますねん。
そいからいつや笠屋町で着物取られた時にしたかて、綿貫は私呼ぶのんに反対やった。