「そんでもあの時、誰ぞもう一人電話口に立っててコソコソ相談してたみたいでしたがなあ」いいましたら、「そら僕かて心配やさかい、傍に附いてたんです」いいますねん。
そんなこといろいろ話しもって知らん間に三休橋渡って、本町筋まで来てしまいましてんけど、私も綿貫も「もうちょっと話しまひょなあ」いうて、電車道越えて北浜の方い行きましてん。
何せ私は今まで光子さんちゅう人を通してばっかり想像してて、何かにつけてただもう男が悪いのんや思てましたが、さっきからの様子見てましたら、そないウソつきみたいとも違いますし、女性的なとこや疑がい深いとこあるのんも、生れつきにも依るとしたかて、光子さんの態度がそないさしてしもたのんかも分れへんし、……私にしたかて今まで大分欺されたお蔭で僻んでるとこあるねんし、……それ考えたら無理もないとこもあるのんで、まあちょっとぐらい邪推交ってるとしたかて、とにかく本気で私に同情求めてるみたいに思われますねん。