そんなこといろいろ話しもって知らん間に三休橋渡って、本町筋まで来てしまいましてんけど、私も綿貫も「もうちょっと話しまひょなあ」いうて、電車道越えて北浜の方い行きましてん。
何せ私は今まで光子さんちゅう人を通してばっかり想像してて、何かにつけてただもう男が悪いのんや思てましたが、さっきからの様子見てましたら、そないウソつきみたいとも違いますし、女性的なとこや疑がい深いとこあるのんも、生れつきにも依るとしたかて、光子さんの態度がそないさしてしもたのんかも分れへんし、……私にしたかて今まで大分欺されたお蔭で僻んでるとこあるねんし、……それ考えたら無理もないとこもあるのんで、まあちょっとぐらい邪推交ってるとしたかて、とにかく本気で私に同情求めてるみたいに思われますねん。
尤も自分より私の方が愛されてるいうのんは、どないしても私には信じられしませんのんで、「そら違いますやろ、そら綿貫さん、あんまり気イ廻し過ぎますで」いうて慰めたげたのんですが、「いやいや、僕かてそない思いたいのんですけど、絶対にそんなことあれしません。