SK病院から電話かかった時にしたかて、あの男の声綿貫でのうたら外にそんな事頼まれる人あるかしらんいう工合に、疑がい出したら腑に落ちんこともあるのんですけど、――第一子供生れるいうこと、なんで私に隠してなさるのんか、あんな心配さしときながら、そんな水臭いことするやなんて、やっぱり私の方が侮られてること知れたある、ひょッとしたらあないに秘密打ち明けて私と光子さんとの仲い水さそいう気やないのんか?
そうか今のうちは邪魔されんように味方につけといて、結婚したら放ってしまうつもりやないのんか?
――そない思たら、だんだん疑がいも濃うなって来るのんですけど、そいから四、五日たった或る日、またろうじの外で待ち受けてて「ちょっと、ちょっと、……」いうて、「僕今日お姉さんに相談したいことあるのんですが、『梅園』まで来てくれませんか」いいますよって、一緒に附いて行きましたら、二階の座敷い上って行って、「ただ口でばっかりきょうだいの約束するいうても、お姉さんかてなかなか僕を信じるいう訳に行きますまいし、僕かてやっぱり何や心配ですさかい、お互に疑念残らんように誓約書交そうやありませんか。