「ああ、これどないして出来たのんか、ゆんべあんまり蚊アに喰われて、夢中で掻きむしッたのんか知らん」いいますと、「おかしいなあ、栄ちゃんもちょうどそれと同じもん出来てるねんわ」と、そないいわれたら、ああ、悪い事出来んもんやなあ思うて急に私の顔色変って来ましたのんで、「姉ちゃん何ぞあてに隠してるのんと違う?
それどないして出来たのんか、ほんまのこというて頂戴」いいなさって、「隠したかて大概分ってる、姉ちゃんはあてに内証で何ぞ栄ちゃんと約束したことあるねんなあ?
――そら、光子さんいうたらそういうことには早う気イ廻るのんで、そない図星刺されたらもう惚けること出来しませんけど、そいでも真っ青になりながら黙ってますと、「きっとそうに違いないやろ?