綿貫にそないいわれてからも「姉ちゃんに頼める義理やない」いいなさいましてんけど、「それ厭やったら僕と一緒に逃げてくれますか、それとも電話かけますか」いわれて、絶体絶命の場合になって、こんな男の道連れになるのん死ぬよりイヤや思いなさったら、後先の分別もないよになって夢中で電話口い走って行った。
そいでもあの時、近所のカフェエい来てもらうとか、綿貫先帰してしまうとか、あんなとこ私に見せんかて何とかもうちょっとええ工夫あったやろのんに、うろたえてたらそんなこと思いつけしませんし、そこが綿貫の狙いどこですよって「早しなさい、早しなさい」いうて急きたてますし、そのうちに私に来られてしもて「合わす顔ない」いいなさったら「僕ええようにいいますさかい隠れてなさい」いうて、いかにも自分は光子さんの恋人やいう顔つきして、いろいろなこと私にカマかけて聞いてしもた。
「ふん、そやねんし。