「……なあ、姉ちゃん、なんぼ親しい間柄かてこんなこというたら自分の恥やし、愛憎つかされるかも分れへん思てじっと辛抱しててんけど、もうもう今日は何も彼もいうてしもてんし。
あてぐらい不仕合せなもん世の中にあるやろか。
――そないいいながら私の膝の上い打つ伏しなさって、涙でそこがびしょびしょに濡れるぐらい激しいに泣きなさるのんで、あんまりのことに何ちゅうて慰めたげたらええのんやら、――なんせ私の知ってる今日までの光子さんいうたら、花やかで、勝ち気で、いつもプライドに充ちた眼エ耀やかしてなさって、そんな辛い思いしてなさったとはちょっとも見えしませんのに、その高慢な、女王みたいにエラそにしてなさった人が、プライドも何にも放ってしもて泣き崩れてなさる様子だけでも、ほんまに思いの外ですねん。