そしたら光子さん気イ弛みなさったのんか、一層止めどものう泣きなさって、自分の一生は綿貫のお蔭で滅茶々々にしられた。
もう行末に何の望みも光明もない、生涯埋れ木で暮らすばっかりやいいなさって、自分は死んでもあんな男と結婚せエへん、どうぞ助ける思てあの男と手エ切れるようにしてくれへんか、何ぞええ工夫あったら教せて頂戴いいなさるのんで、「こないなったらあてかて正直なこというけど。
ほんまいうたらあて栄ちゃんと兄弟の約束してしもて、こないこないの書付まで交してんし」と、昨日の出来事みんな話したげたら、大方そんなことやろ思てた、綿貫の奴、何処まで行っても知られてエへんかいうこと疑ごうてて、わざとそないなこというて姉ちゃん試してみといてから、自分捨てられたら姉ちゃんも一緒に抱き込んでやろいう気イや。