ほんまに私は、こないだから夫に口利いてもらお思てて、光子さんのことも打ち明けた方が得なことは話してしまお思てたのんに、さっき不意討ちに笠屋町い訪ンねて来られて、あないなったら妊娠してなさるのんうそやいうこと今更いい出しかねて、うその上塗りしてしもてんけど、こんなことになるのんやったらあの時白状しといたらよかった!
「おい、黙ってたら分らん、返辞したらえやないか」と、夫は出来るだけ腹の虫おさえて、やさしい、静かな声出して、「黙ってるとこみたら、これお前書いたと認めてもええねんなあ?
いうて、そいからだんだん話し出すのん聞いてますと、五、六日前に今橋の事務所の方い突然綿貫が訪ンねて来て面会求めた。