委しいことは知りませんけど、家内はあんたがたの恋愛に同情してて、一日も早う結婚しなさるのん祈ってるように聞いてましたが」いうたところが、「あんたは奥様と光子との関係がどんなことになってるか、ほんまの事情御存知ないのんです」いうて、今でも前のようやいうことそれとなしに仄めかした。
けど初対面の男の話をそのまま信用する気イもなかったし、現にその男の種宿してるもんが別に同性の人とそんな風になってるというのんもけったいなし、何やこの男気イ触れてるのんと違うか知らん思てたら、「お疑がいになるのんも尤もですが、ここに確かな証拠あります」いうてこの書付出して見せた。
夫はそれ読んだとき、自分の妻が未だに自分欺いてたことにも不愉快感じましたけど、それよりもなお不愉快やったのんは、妻と見ず知らずの男とが自分の知らん間に兄弟の約束してるいうことやった。