これ眼の前い突き付けてやったらきっと白状しますやろけれど、そうでもなかったら、なかなか強情な奴ですさかい」いいましたら、貸すとも貸さんともいわんといて、急に大事そうにそれ膝の上に置いて、「しかしあんたは、もし園子さんが白状しなさったらどういう処置お取りになるのんです」いいますのんで、「どういう処置取ろと、その時の都合次第やさかい、今から明言する訳に行かん。
僕はあんたに頼まれたから家内を詰問するのんやない。
僕はあんたの利害のために動くのんやのうて、僕自身の面目、自分の家庭の幸福のために動くのんやいうことを承知して下さい」いうたところが、何や嫌アな顔して、「僕かて何も、自分のために働いて欲しいいうのんやあれしませんが、今度の事は、あんたの利害と僕の利害とが偶然一致してる思たのんで、伺うたのんです。