何のためにそんな関係もないこといつまでもべちゃべちゃしゃべってるのんや、あんたに注意してもらわんかて僕は僕で紳士の道守りますけど、それがあんたの利害と一致するかどうかは保証する訳に行けしませんから、どうぞそのつもりでいて下さい」いうたら、「ふん、そうですか、そんなら折角ですがこの書付お貸しすること出来ません」いうて、膝の上い置いてあったのん丁寧に封筒い入れて、内ぼところい収うのんやそうです。
夫はそれが欲しかったことは欲しかったけど、そんな行きがかりになってしもたらもうしょうがない、かいって弱味見せたらあかん思て、「ええ、ええ、僕も強いて拝借しようとは思いませんから、御自由にお持ち帰り下さい。
但し一言お断りしておきますが、あんたがそれを、僕の手エ経て僕の家内に示すことを拒まれる以上は、家内が事実を否定した場合に、僕としてもその書付に信を置くこと出来んかも知れない。