と夫は涙で光ってる頬べた視詰めながら、「泣いてばっかりいてても分れへんさかい、よう分別して、今度こそ最後の、うそのないお前の考いうてみなさい、僕はお前がどうしても家出するいうのんなら、そら仕方ない思てる。
けど、ほんまの僕の気持いうたら、憎いのんあの男だけで、お前も光子さんも可哀そうな目エに遇うたんや思てるねん。
かりにお前と離別せんならんことになっても、お前が今みたいな真似つづけてたら、いつまで立ってもその『可哀そうな』いう心持残ってて、僕も長いこと苦しまんならんし、お前にしたかてまさか光子さんと結婚する訳にも行けへんやないか。