あてかて覚悟してるさかい、それだけ材料あるねんやったら、この上人イジメたりせんと、新聞にでも何にでも売んなさい」いいなさって、そんなり喧嘩別れになった。
そいであんまり弱いとこ見せたらいかんよって、今日は笠屋町いも行かんといて、どないするか様子見てやろ思てなさったら、私のとこから電話やったんで、飛び立つ思いで顔見に来たいいなさいますねん。
まさか綿貫かて、いよいよあかんいう見きわめも付かんと自分の損にもなるようなことせエへんやろけど、こないなって来たらなおのこと夫味方に入れるのん第一やいうのんで、そいから私の考えてた計略実行することになりましたのんですが、光子さんは「何処ぞ近いとこへ逃げるのんやったら、あて所の浜寺の別荘がええし」いいなさって、彼処は今年留守番の夫婦行てるだけやさかい、海水浴して来るいうてお梅どん連れて行くのんなら、四日や五日泊ってたかてちょっとも家の方心配ない。