はあ、……逃げたのんはそいからやっぱり三日目のことで、日和の都合も時間の工合もすっくり予定の計画通り行きましたのんで、私は十時ちょっと過ぎに海水服着て海岸い出て、お梅どん見ると眼エで合図しいしい黙って浜七、八丁走って、そこで更紗模様のヴォイルの服頭から被って、お金の十円這入ってる手提げ受け取って、パラソルで顔隠しながら、お梅どんとは別々に急ぎ足で国道い出ましたら、運よくタクシー来ましたのんで、それに乗って一と息に難波まで行きましてん。
そいですさかい十一時半前にはもう別荘い着いてしもてて、お梅どんの方が三十分も後れてやって来て、「えらい早よおましたなあ。
ほんまにこない巧い工合に行たことあれしません。