あんたの方が愛しられてる証拠やし」いうてたのんですが、夫にいわしたら、愛してるもんこないにいじめるはずない、僕を疲れさして、情慾も何も起らんように麻痺さしといて、二人で好きな真似しょういう計略やないかいいます。
そいでおかしいのんは晩御飯の時やかい、お互に睡眠剤で胃イ悪うしてて、食慾ちょっともあれしませんのんに、お腹空いてたら早う薬循りますさかい、なるだけ余計喰べとことして、孰方も相手の御飯の数勘定して競争で詰め込みますのんで、「そない喰べたら薬利けへんよって、二人とも二饌以上喰べることならん」いいなさって、しまいには光子さんお膳の傍に眼エ光らして、監督してなさるようになったんのんです。
何せあの頃の生理状態いいましたら、今考えでも無事でいられたのん不思議なぐらいで、胃イ衰弱してるとこい毎日飲まされる薬の分量多いのんで、一時に吸収出来へんせえか、お昼になってもしょッちゅう意識ぼんやりしてて、生きてるのんか死んでるのんか分らんみたいに、顔色ますます青うなる。