光子さんにしましたら、どうせ三人こないになったら無事に収まるはずあれしませんさかい、もうどないでもなれいう気イで、焼け糞半分になってなさって、事に依ったら夫と私だんだん薬で衰弱さして殺してしまお、……と、心の底ではそんな企み持ってなさったのんやないか。
……そない思たのん私だけやのうて、「僕かてそれ覚悟してる」と、夫もいうてましたぐらいで、ほんまいうたら、もう直き二人幽霊のように細うなって死んでしまうのん待ってなさって、その時限り自分は巧いこと手エ退いて、すっくり真面目な人間になって、ええ婿さん捜そ思てなさるのんやろ、「僕もお前もこないに青い顔してるのんに、光ちゃん一人丈夫そうにぴんぴんしてる様子見たら、どうやらそうに違いない気イする」いいますねん。
そんで夫も私も、衰弱の余り楽しいことも嬉しいことも感じんようになってしもたら、もうその時がこの世の終りやと観念してて、今日死ぬか明日死ぬか思いながら生きてましてん。