いつもの彼なら妻の都合と云うことに気が廻らない筈はないのである。
ゆうべも勿論それを思いはしたけれども、実は夕方、「ちょっと神戸まで買い物に」といって彼女が出かけて行ったのを、恐らく阿曽に会いに行ったものと推していた。
ちょうど老人から電話がかかった時分には、妻と阿曽とが腕を組み合って須磨の海岸をぶらついている影絵が彼の脳裡に描かれていたので、「今夜会っているのなら明日は差支えないであろう」と、ふとそう思った訳なのであった。
いつもの彼なら妻の都合と云うことに気が廻らない筈はないのである。
ゆうべも勿論それを思いはしたけれども、実は夕方、「ちょっと神戸まで買い物に」といって彼女が出かけて行ったのを、恐らく阿曽に会いに行ったものと推していた。
ちょうど老人から電話がかかった時分には、妻と阿曽とが腕を組み合って須磨の海岸をぶらついている影絵が彼の脳裡に描かれていたので、「今夜会っているのなら明日は差支えないであろう」と、ふとそう思った訳なのであった。