ただ万一にも別れないで済む場合が想像せられるし、別れるとしてもまだその時機がきまったと云う訳ではないので、成るべくならば余計な心配をさせたくない、話はいつでも出来るのだからと、そう思い思いつい延び延びになっている結果は、やはり子供を安心させたさに惹き擦られて、喜ぶ顔が見たいために妻と馴れ合いで睦しい風を装うこともあるのである。
しかし子供は子供の方で、二人が馴れ合いで芝居をしていることまでも感づいていて、なかなか気を許してはいないらしい。
うわべはいかにも嬉しそうにして見せるけれども、それも事に依ると親たちの苦慮を察して、子供の方があべこべに二人を安心させようと努めているのかも知れない。