谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 「あたし一と幕だけ見たら帰るわよ」 と、彼女は木戸口を這入りながら、そこまでびんびんと響いて来る時代後れな太棹の余韻に反抗するような気持で云った。 茶屋の女に送られて芝居小屋へ来ると云うことが、既に何年ぶりであろう。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア