と小声で云いながら居ずまいを直して、場を塞いでいる蒔絵の提げ重を、一つ一つ丁寧に積み重ねて自分の膝の前に寄せた。
「お越しやしたえ」
美佐子のために老人の右の席をあけて、自分はうしろに畏まっているお久は、そう云って耳打ちをしたけれども、老人はちょっと振り返って、
と小声で云いながら居ずまいを直して、場を塞いでいる蒔絵の提げ重を、一つ一つ丁寧に積み重ねて自分の膝の前に寄せた。
「お越しやしたえ」
美佐子のために老人の右の席をあけて、自分はうしろに畏まっているお久は、そう云って耳打ちをしたけれども、老人はちょっと振り返って、