しかし一方、ややともするとその不愉快を打ち忘れて、再び舞台の表現にうっとりさせられる瞬間があった。
前の幕ではひとり小春の姿にばかり心を惹かれたのに、今度の幕では治兵衛もよし、おさんもいい。
紅殻塗りの框を見せた二重の上で定規を枕に炬燵に足を入れながら、おさんの口説きをじっと聞き入っている間の治兵衛。
しかし一方、ややともするとその不愉快を打ち忘れて、再び舞台の表現にうっとりさせられる瞬間があった。
前の幕ではひとり小春の姿にばかり心を惹かれたのに、今度の幕では治兵衛もよし、おさんもいい。
紅殻塗りの框を見せた二重の上で定規を枕に炬燵に足を入れながら、おさんの口説きをじっと聞き入っている間の治兵衛。