何の事はない、彼女と結婚してからのこの歳月と云うものを、自分は如何にして離縁すべきかと云うことばかり考えつづけて暮らして来たのだ、別れよう別れようの一念しかない夫だったのだ。
―――ふとそう思うと、要は自分の冷酷な姿がありありと自分に見えるのであった。
自分は妻を愛し得ない代りには、決して侮辱を与えないように心がけていたつもりだけれど、女に取ってこれが最も大いなる侮辱でなくて何であろう。
何の事はない、彼女と結婚してからのこの歳月と云うものを、自分は如何にして離縁すべきかと云うことばかり考えつづけて暮らして来たのだ、別れよう別れようの一念しかない夫だったのだ。
―――ふとそう思うと、要は自分の冷酷な姿がありありと自分に見えるのであった。
自分は妻を愛し得ない代りには、決して侮辱を与えないように心がけていたつもりだけれど、女に取ってこれが最も大いなる侮辱でなくて何であろう。