彼女は初節句の祝いに人形好きの父親が特別に京都の丸平で拵えてくれた古風な雛を、結婚の時道具と一緒に斯波家へ持って来ているのである。
そして関西へ移ってからは土地の風習に従って一と月おくれの四月の三日を節句にしていた。
女の子のない家庭ではあり、彼女自身はそんなものに今では大した愛着もないのであるから、そう昔風なしきたりを固守するまでもないのだけれど、実を云うと、京都が近くなったために毎年父親が節句になるとその人形をなつかしがって、わざわざ見にやって来るのである。
彼女は初節句の祝いに人形好きの父親が特別に京都の丸平で拵えてくれた古風な雛を、結婚の時道具と一緒に斯波家へ持って来ているのである。
そして関西へ移ってからは土地の風習に従って一と月おくれの四月の三日を節句にしていた。
女の子のない家庭ではあり、彼女自身はそんなものに今では大した愛着もないのであるから、そう昔風なしきたりを固守するまでもないのだけれど、実を云うと、京都が近くなったために毎年父親が節句になるとその人形をなつかしがって、わざわざ見にやって来るのである。