庭には梅の樹が五六株あった。
以前この辺が百姓家の庭であった頃からのもので、早いのは二月の初めから順々に花を持ちつづけて三月中は次から次へ咲いていたのが、今ではあらかた散り果てた中にまだ二三輪は真っ白な粒を光らしていた。
二頭の犬は噛み合いをしない程度の隔たりを置いて、その梅の幹へそれぞれつながれているのである。
庭には梅の樹が五六株あった。
以前この辺が百姓家の庭であった頃からのもので、早いのは二月の初めから順々に花を持ちつづけて三月中は次から次へ咲いていたのが、今ではあらかた散り果てた中にまだ二三輪は真っ白な粒を光らしていた。
二頭の犬は噛み合いをしない程度の隔たりを置いて、その梅の幹へそれぞれつながれているのである。