「東方の回教国では、既婚者と未婚者とを問わず若い婦人の一人歩きを禁じていて、犯す者があれば巡査はそれを捕縛していい権利がある。
これは密通を防ぐのに有効な手段であって、嘗てクリミア戦争の時分に、英吉利、仏蘭西、伊太利等の士官が数百人コンスタンチノープルに駐屯していたことがあり、彼等のうちには土耳古の婦人を手に入れたと云って得意になった者も少くなかったが、実はその中に一人の土耳古人もいなかったに違いないと私(バアトン)は信じる。
彼等に征服された女は悉くギリシア人か、ワラキア人か、アルメニア人か、さもなければ猶太人である」