けれど要は、「僕にはそんな者はない」と答えた。
彼が彼女に済まない事をしているのは、妻には貞操を守らせながら自分は守っていないと云うこと、―――「そんな者はない」にも拘わらず、ほんの一時の物好きと肉体的の要求とから、いかがわしい女を求めに行くと云うことだけだった。
要に取って女というものは神であるか玩具であるかの孰れかであって、妻との折り合いがうまく行かないのは、彼から見ると、妻がそれらの孰れにも属していないからであった。
けれど要は、「僕にはそんな者はない」と答えた。
彼が彼女に済まない事をしているのは、妻には貞操を守らせながら自分は守っていないと云うこと、―――「そんな者はない」にも拘わらず、ほんの一時の物好きと肉体的の要求とから、いかがわしい女を求めに行くと云うことだけだった。
要に取って女というものは神であるか玩具であるかの孰れかであって、妻との折り合いがうまく行かないのは、彼から見ると、妻がそれらの孰れにも属していないからであった。