酔わないと唄う気になれないと云う老人は、今がちょうど唄いごろの酔い心地であるらしく、自分も盲人のように眼をつぶってあとをつづけた。
年寄りの癖の早寝早起きで、まだ宵の口の八時と云うのにもう老人は床を敷かせてお久に肩を揉ませながら眠りに就いたが、廊下を一つ隔てた部屋に引き取った要は、酒の勢いで無理にも寝入ろうと布団を被ってみたものの、いつもの宵っ張りに馴らされた眼がそう容易にはまどろまないで、長いあいだうとうとしていた。
本来ならば彼はこのように一人で一室を完全に占領して眠るのが好きであった。
酔わないと唄う気になれないと云う老人は、今がちょうど唄いごろの酔い心地であるらしく、自分も盲人のように眼をつぶってあとをつづけた。
年寄りの癖の早寝早起きで、まだ宵の口の八時と云うのにもう老人は床を敷かせてお久に肩を揉ませながら眠りに就いたが、廊下を一つ隔てた部屋に引き取った要は、酒の勢いで無理にも寝入ろうと布団を被ってみたものの、いつもの宵っ張りに馴らされた眼がそう容易にはまどろまないで、長いあいだうとうとしていた。
本来ならば彼はこのように一人で一室を完全に占領して眠るのが好きであった。