弟が死んだと云うじゃないか」
庭には紫の花をつけた大きな栴檀の樹があって、その樹の蔭のじめじめしたところに、雑草と交って薄荷が沢山生えていた。
羊の料理を拵えたりポンチ酒を作ったりする時にその葉を使うのだからと云って、蔓るままにしてあるのだが、白いジョウゼットのハンケチを顔にあてながら黙って地べたを視つめている彼女は、薄荷の匂いがしみたかのように眼のふちを赤くしていた。
弟が死んだと云うじゃないか」
庭には紫の花をつけた大きな栴檀の樹があって、その樹の蔭のじめじめしたところに、雑草と交って薄荷が沢山生えていた。
羊の料理を拵えたりポンチ酒を作ったりする時にその葉を使うのだからと云って、蔓るままにしてあるのだが、白いジョウゼットのハンケチを顔にあてながら黙って地べたを視つめている彼女は、薄荷の匂いがしみたかのように眼のふちを赤くしていた。