と云って先へ立って行く老人のあとから玄関を上った夫婦は、新芽の緑を反射している籐の網代のひいやりとしたのを足袋の底に蹈みながら、家じゅうに焚きしめてあるらしいほのかな草実の匂いを嗅いだ。
「そうそう、お茶よりも先に手拭いだった。
つめたいのを一つ絞っておいで」
と云って先へ立って行く老人のあとから玄関を上った夫婦は、新芽の緑を反射している籐の網代のひいやりとしたのを足袋の底に蹈みながら、家じゅうに焚きしめてあるらしいほのかな草実の匂いを嗅いだ。
「そうそう、お茶よりも先に手拭いだった。
つめたいのを一つ絞っておいで」