「そうそう、お茶よりも先に手拭いだった。
つめたいのを一つ絞っておいで」
若葉の繁みで土庇の外が小暗いばかりになっている座敷の、わざとすずしい端近な方へ席を取ってほっと一と息入れている夫婦のけはいから、それとなく何かを見て取ろうとした老人は、汗ばんだ顔に庭の青葉を映している要の様子に気が付いて云った。
「そうそう、お茶よりも先に手拭いだった。
つめたいのを一つ絞っておいで」
若葉の繁みで土庇の外が小暗いばかりになっている座敷の、わざとすずしい端近な方へ席を取ってほっと一と息入れている夫婦のけはいから、それとなく何かを見て取ろうとした老人は、汗ばんだ顔に庭の青葉を映している要の様子に気が付いて云った。