―――要さん、とにかくなんにも云わないで、私に美佐子を二三時間預けては下さるまいか」
「お預けしてもとても無駄だと思うんですが、………実は当人にしてみますと、お話があるのが辛いと云うので、僕だけでお願いに出るようにと云って、そんなことから、とうにもお伺いする筈のところが段々におくれておったんですが、今日でも連れて来ますのに随分骨を折らせたんです。
行くことは行くが、自分の決心は最早や動かないものとして、申し上げることは全部僕から申し上げ、お話があれば伺ってくれろと云うような訳なんでして、………」