なんだか辺鄙な山の湯にでも来たようで、老人がよく「うちの庭ではほととぎすが聞ける」と云っていたのを思うにつけ、こう云う時に啼かないものかなと耳を澄ましたが、聞えるものは何処か遠くの田圃の方で雨を呼んでいる蛙の声と、わーんと云う蚊の啼きごえばかりである。
それにしても今頃瓢亭の座敷にいる親子は、何を話しているだろう。
老人は婿に対してこそ遠慮があるものの、あの口ぶりから察すると恐らく娘には圧制的に出るのではないのか。
なんだか辺鄙な山の湯にでも来たようで、老人がよく「うちの庭ではほととぎすが聞ける」と云っていたのを思うにつけ、こう云う時に啼かないものかなと耳を澄ましたが、聞えるものは何処か遠くの田圃の方で雨を呼んでいる蛙の声と、わーんと云う蚊の啼きごえばかりである。
それにしても今頃瓢亭の座敷にいる親子は、何を話しているだろう。
老人は婿に対してこそ遠慮があるものの、あの口ぶりから察すると恐らく娘には圧制的に出るのではないのか。