ただまえに挙げた『増かがみ』のものがたりをあたまにおいてかまくらの初期ごろにここで当年の大宮人たちが四季おりおりの遊宴をもよおしたあとかとおもうと一木一石にもそぞろにこころがうごかされる。
わたしは路傍にこしかけて一ぷくすってからひろくもあらぬ境内をなんということもなく往ったり来たりした。
そこはかいどうからほんの僅か引っ込んでいるだけだけれども籬にとりどりの秋草を咲かせた百姓家が点々と散らばっている奥の、閑静な、人の眼につかない、こぢんまりした袋のような地面なのである。
ただまえに挙げた『増かがみ』のものがたりをあたまにおいてかまくらの初期ごろにここで当年の大宮人たちが四季おりおりの遊宴をもよおしたあとかとおもうと一木一石にもそぞろにこころがうごかされる。
わたしは路傍にこしかけて一ぷくすってからひろくもあらぬ境内をなんということもなく往ったり来たりした。
そこはかいどうからほんの僅か引っ込んでいるだけだけれども籬にとりどりの秋草を咲かせた百姓家が点々と散らばっている奥の、閑静な、人の眼につかない、こぢんまりした袋のような地面なのである。