わたしは路傍にこしかけて一ぷくすってからひろくもあらぬ境内をなんということもなく往ったり来たりした。
そこはかいどうからほんの僅か引っ込んでいるだけだけれども籬にとりどりの秋草を咲かせた百姓家が点々と散らばっている奥の、閑静な、人の眼につかない、こぢんまりした袋のような地面なのである。
でも後鳥羽院の御殿というのはこれだけの狭い面積のなかにあったのではなく、ここからずっとさっき通って来た水無瀬川のきしまでつづいていたのであろう。
わたしは路傍にこしかけて一ぷくすってからひろくもあらぬ境内をなんということもなく往ったり来たりした。
そこはかいどうからほんの僅か引っ込んでいるだけだけれども籬にとりどりの秋草を咲かせた百姓家が点々と散らばっている奥の、閑静な、人の眼につかない、こぢんまりした袋のような地面なのである。
でも後鳥羽院の御殿というのはこれだけの狭い面積のなかにあったのではなく、ここからずっとさっき通って来た水無瀬川のきしまでつづいていたのであろう。