するとある日のことお遊さんは父にむかって、あなたはお静がおきらいですかと尋ねるのでござりました。
父がきらいではありませんといいましたらそれならどうぞ貰ってやって下さいましといってしきりに妹との縁組みをすすめるのでござりましたが叔母に向ってはもっとはっきりと自分はきょうだいじゅうであの児といちばん仲好くしているからどうかあの児を芹橋さんのような人と添わしてやりたい、ああいう人を弟に持ったら自分も嬉しいということを申したそうにござります。
父の決心がきまりましたのはまったくこのお遊さんの言葉がありましたためでござりましてそれから間もなくおしずの輿入れがござりました。