父はそれを知らずにいましてお遊さんにあいましたら父を見るなり顔をそむけてなみだをかくしましたのでめったにないことでござりますから何かあったのかとおしずにききましたら姉さんはもう知っていますというのでござりました。
それにしましても話さなければならないような羽目になってわたしがしゃべってしまいましたというだけでどんないきがかりからそうなったのやら委しいいきさつを申しませぬので父にもおしずのしたことは解せぬところがあったのでござります。
たぶんおしずはもう打ちあけてもよい時機が来た、夫婦が夫婦でないことがわかったら姉も一往はふこころえをさとすであろうがいまとなってはとうわくしながらも妹たちのなさけにほだされてしまうであろうと看てとりまして何かのおりにかおいろをうかがいながら話をそこへ持って行ったのではござりますまいか。