何にいたせおせっかいといえばいえなくもござりませぬがそれがみんな欲得をすてた姉おもいから出ていることがわかってみればお遊さんも父もありがたなみだにくれるよりほかはござりませなんだ。
お遊さんは初めはひじょうにびっくりしまして私はそんな罪をつくっていたとは知らなんだ、静さんたちにそんなにされては後生がおそろしいといって身もだえして、でもそれならば取りかえしのつくことだからどうかこれからはほんとうの夫婦になるようにといいましたけれども何もこのことは姉さんに頼まれたわけではない、慎之助にしてもわたしにしても自分たちが好きでしていることだからこののちどうなるとも姉さんは気にかけないで下さい、ついこんなことをいいましたのが悪うござりました、何も聞かなんだ前とおもって下さったらようござりますといって取り合いませなんだのでそれからしばらくお遊さんは夫婦といきかよいすることをひかえる様子がみえましたのでござりますが、三人の仲のよいことは親類じゅうに知れわたっておりましたから角のたつようなことはできませぬのでそうこうするうちにまた両方から近づいてしまいましてけっきょくお静のはからったことが味善う行ったのでござりました。
さようでござります、それはたしかに、お遊さんの心のおくへ這入ってみましたら自分で自分にゆいまわしていた埓が外れてしまったような気持のゆるみができまして妹の心中だてを憎もうとしても憎めなんだのでござりましょう。