おしずもそれを何よりもおそれていたらしゅうござりましてきっと一緒につれて行ってくださりませ、いまになって除けものにされたらなんぼうくやしいかわかりませぬといってあとにも先にもおしずがやきもちがましいことを申しましたのはこのときだけだそうにござります。
なおもう一つそれにもまして父のけっしんをにぶらせたのはお遊さんをいたわる気もちでござりました。
お遊さんのような人はいつまでもういういしくあどけなく大勢の腰元たちを侍らせてえいようえいがをしてくらすのがいちばん似つかわしくもありまたそれができる人でもあるのにそういう人を死なせてしまうのはいたいたしいというかんがえ、これがなによりもつよくはたらいたのだと申します。