そう云う次第で、他日自分は専門家の鑑定を乞い、此の書に歴史的価値がありや否やを明かにしたいと願っていたのだが、今回盲目物語を読むに及んで、此の書はむしろ、貴下の御参考に供すべきものであることに思い至った」と云うのである。
某氏の書簡は更に曰く、「自分が貴下に此の書の一読をすゝめる所以は、貴下に鑑定を乞わんがためではない。
自分は貴下がかの盲目物語の資料と着想とを那辺より得られたかを知らないけれども、偶〻自分の手元にも、あれと時代を同じゅうするのみか略〻背景をも同じゅうしながら、あれとは自ら異った一箇の盲目物語があることを、知って戴きたいのである。