殺すのは惜しい奴であるから助けてやれ」
と仰っしゃって、即座にお赦しが出たのであったが、信世はそれを喜ぶでもなく、主に離れて生きていても何の甲斐があろう、此の上耻を重ねるのはいやだと云って、腹を切った。
その潔い最期の有様が知れ渡るに従い、見上げた武士よ、治部少輔にも良い家来がいたものよと、町の人々は又そのことを噂し合っているのであった。
殺すのは惜しい奴であるから助けてやれ」
と仰っしゃって、即座にお赦しが出たのであったが、信世はそれを喜ぶでもなく、主に離れて生きていても何の甲斐があろう、此の上耻を重ねるのはいやだと云って、腹を切った。
その潔い最期の有様が知れ渡るに従い、見上げた武士よ、治部少輔にも良い家来がいたものよと、町の人々は又そのことを噂し合っているのであった。